2008年12月04日

明日、米国の11月雇用統計が発表されます。



“大セール!32型薄型テレビがなんと¥38,000!”


こんなチラシを見たら、誰でも家電量販店に走るのではないでしょうか?
そんな気持ちは、日本だけでなく“超不景気”といわれるアメリカでも同じです。


「不景気で財布のヒモが堅いなら、いつもより値下げして売ろう。」


という戦略で、米国のクリスマス商戦が先月28日に幕を開けました。


冒頭の32型薄型テレビを、400ドルを切る値段で売り出したのはウォルマートです。
米国最大手のディスカウント店です。
当然買いたい人々が殺到し、人ごみに踏みつぶされた店員が圧死するという
事件も発生してしまいました。


とても広いといわれているウォールマートに人が押し寄せるぐらいですから、「アメリカの景気はそんなに悪くないのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。


しかし、アナリストたちは「値引き品への支出が増加したものの、小売各社の利益増加につながる可能性は低い」という見方をしている方が大半のようで、今年の年末商戦は苦しいといわれているので、油断ができません。


そんななか、12月5日(金)に米国の11月雇用統計が発表されます。
これは、世界中の投資家が注目する、投資指標で、特に為替相場や米国株などでは、発表がある時間の前後で大きく値が動き、取引が活発になります。


日本にも、雇用統計はありますが、米国ほど投資家に注目されていません。
どうしてでしょうか?


http://www.tousika.net/


これは、日本の雇用統計が翌月の末頃に発表されるのに対し、米国では11月分が12月5日発表とスピーディであることに加え、日米の雇用慣行の違いも影響しています。


日本の企業が雇用になかなか手をつけない一方で、米国では業績が悪くなるとただちに雇用調整を行って人員削減を行う企業が多いことが知られています。
このため、雇用統計が、企業の景況感や業績を占う最速の指標なのです。
実際、FRBなどの政策当局も重視している指標のため、金融政策の動向を占う手掛かりとしても注目されます。




また、雇用統計のなかでも特に注目されているのが非農業部門雇用者数です。
これは、文字通り農業部門以外の雇用者の増減を表したものです。


非農業部門雇用者数は、「前月と比べて“○万人増加”」というように報道されてい
のですが、少し前までは、


●15万人以上増加⇒雇用状況も景気ともに堅調⇒ドル高要因
●10~15万人増加⇒雇用状況が回復
●10万人増加以下⇒雇用状況も景気も懸念がある⇒ドル安要因

がひとつの目安と考えられていました。


ところが、2008年1月から“増加”ではなく“減少”に転じ、9月は28万人減、10月は24万人減、そして、5日に発表される11月の予測はなんと30万人以上減るのではないかと、アナリストたちは過去最悪の数字を予想しています。


とりわけ米国は今、クリスマス商戦の真っ只中。ただでさえ苦しいと予想されている最大の商戦期の個人消費動向ですが、仮に雇用統計の数字が、予想よりさらに悪いとなると、消費者の所得・マインドは超弱い⇒消費は壊滅的?という見方になります。


言うまでもなく、米国の個人消費は世界の景気全体に大きな影響を及ぼします。
米国の雇用悪化がさらに壊滅的なレベルに進むのか否かが注目されているのです。


加えて今週は、経営危機に陥っている米自動車大手3社(ビッグスリー)に対する米下院金融委員会の公聴会が開かれます。公聴会では「政府資金を注入されてビッグスリーを救済するか」という点が注目されますが、現在の状況ではどっちに転んでもおかしくない状態。しかし、雇用統計であまりにもひどい数値が出ると話は変わってくるかもしれません。


このように、世界が注目する雇用統計ですが、速報性がある反面、短時間で集計を行っているために後で修正されることもよくあり、サプライズが出たと騒がれやすいことも知られています。


発表される時間は日本時間の夜22時30分頃(夏時間では21時30分頃)ですが、この時間の前後は為替の価格が大きく上下するため、いつもの値動きのレンジと同じように考えていると、思わぬ取引結果になってしまうかもしれません。



また、取引に参加するユーザーが多くなり、取引会社のシステムにログインできない場合はおろか、指標が報道されるニュースページにアクセスするのも困難という場合もあるようですので、「このページにいけば確認できる」という複数の方法を、もっておくと安心です。


http://www.tousika.net/


いずれにせよ、明日の米国の11月雇用統計に注目です!!



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